大台ヶ原を歩く

出発

大台ヶ原は関西にいるうちに一度は行ってみたかった場所です。まああと数年は関西にいますが。

就活が終わって時間ができたのでしょう、ある日友人からドライブのお誘いがありました。目的地は大台ヶ原、それも紅葉のベストシーズンです。こんな機会はないと思い、二つ返事で参加を決めました。

 

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今回は僕を含めて4人でのトリップになるのですが、全区間の運転をそのうち1人の友人が担当してくれることになっています。ありがたい。

僕は他の人と家が離れていることもあり、1人だけ橿原神宮前駅の前で拾ってもらいます。

近鉄京都線沿線に住む者ならば行き先のアナウンスで日常的に耳にする駅名ですが、実際に訪れるのは初めてです。

路線図では奈良県の最南部であるかのように扱われているにもかかわらず、実は「北部」に所在するというネタで有名な橿原神宮前駅。伝統的な「なんかでかい屋根」を戴くその外観は、なかなか趣があります。

 

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車はあっという間に大台ヶ原ドライブウェイへ。

ススキと紅葉がいかにも秋って感じです。この光景を楽しめなくなった時こそ人類滅亡の時です。

 

自転車ならここまで来るのに1日ぐらいかかりそう。

 

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おしゃれな車の乗り手がテントを立ててアウトドアに興じていました。

ツーアウトってところか?

 

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果て無く続く山々が自然の雄大さを感じさせます。空の狭さに定評がある紀伊山地ですが、ここまで登って来れば両者がせめぎ合っている様を見ることができます。

 

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ビジターセンターに到着です。

大台教会なる施設の看板を多く見かけました。調べてみると神道系の教会らしい。

いわゆる自然崇拝とか修験道みたいなものと深い関係があるようです。

仮に僕がこの辺りの住民だったとしても同じようにこの山を畏れ敬っていたと思うので、なんら不自然なことではないですね。

 

自然へ踏み出す

早速森の中へ足を踏み入れます。今回は名所を一周するコースで歩きます。パンフレットでいうところの「東大台ヶ原完全クリアコース」です。

 

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序盤は普通の登山道だったのですが、標高1500mを越えたあたりから一気に視界が開けます。

分岐を日出ヶ岳の方へ。

 

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早速自然観察路の最高地点に到着です。

いい時間なのでここで昼食を取りました。

やっぱりというか、風が冷たいです。火がつきにくいので、火器を使用しての調理はおすすめできないかもしれないです。でもそれだと体は冷えていくというジレンマ。

 

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ここを降りた分岐点のところには展望台がありました。尾鷲近海を望むことができました。山奥過ぎて逆に海に近いんですね。

 

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再び歩き始め、正木峠に到着です。

森林限界というわけではなく、もともとこの辺りは森だったそうです。鹿が樹皮を食い尽くし、このような不毛の山になってしまったとのこと。

 

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頂上には雰囲気の良いベンチがありました。

 

雲の上の幻想的な遊歩道、こんな唯一無二の光景を作り出した鹿は今となっては柵の外。現在では鹿の代わりに蠅の者たちが群がるスポットとなりつつあるようです。

だからマイオナ主義の自分としてはなるべく早めに訪れておく必要があったのです。

 

・・・特定の人種を揶揄するために生物の名前を持ち出すのは良くないですね。自然に対する敬意を忘れてはいけないと、そういったことを改めて教えてくれるのが大台ヶ原の未了の本質なのかもしれません。

 

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立ち枯れの中に続く階段

 

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大自然のすべてを視界に収められる絶景スポットでした。

 

大蛇嵓

正木峠を後にし、次なる絶景スポットを目指します。

 

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独特な雰囲気の森の中を歩いていると突然、神武天皇の像が現れました。

橿原神宮といい、この日はやたら彼が行程に絡んできます。何か神武天皇の加護を受けていたのでしょうか。

 

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大蛇嵓は順番待ちの列ができており、待っている間にあたりの景色を堪能できました。

険しい崖を紅葉が染めています。

 

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大蛇嵓はとても見晴らしがいい。

とはいえスマホ片手に踏み入るような場所ではありません。滑って落ちると永遠に奈良県の一部となってしまいます。

 

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森の中に鹿がいたよ、っていう場面を撮った写真だったと記憶しています。

 

帰路

大蛇嵓からビジターセンターまではなかなか急なアップダウンの連続でした。

 

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アップダウンがあるということは谷があること。

きれいな沢に出ました。ここはシオカラ谷というらしいです。

 

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指標生物チェックもしましたが、季節のせいかあまり多くの生き物はいませんでした。たしか小さなカワゲラの幼虫を見つけることができました。

 

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ハイキングを終えたあとは上北山温泉で汗を流しました。

奈良中心部とは逆方向になるわけですが、車だとたいして時間がかからないんですね。

 

とはいえ、移動中はずっと爆睡していた僕を乗せて運転してくれた友人には感謝です。