【王致和】臭豆腐を食べてみた

臭豆腐は世界の臭い食べ物ランキングでも上位に君臨しており、これらの面子の中でも知名度はトップクラスです。

 

ただ、その味はというと、まったく想像できないという人が多いのではないでしょうか。

世界一臭い食べ物といわれるシュールストレミングはユーチューバーのおもちゃとして有名だし、わーくにの誇る納豆や沢庵はその匂いが脳にしみついて離れないほどになじみ深い存在です。そんな名だたるプロダクトに比べると、臭豆腐は影が薄いのかもしれません。

 

もっとも、シュールストレミングについてはインフルエンサーによって誇張された情報しか出回っていないので、我々がその味を正しく想像できている可能性は低いのですが。

 

とはいえ、実際にネットで検索すると

臭豆腐のレビュー記事なんかいくらでも出てくるじゃないか!

と思われるかもしれません。

 

 

もっともといえばもっともですが、臭豆腐というプロダクトについてより深く知るためには、あることを押さえておく必要があります。

それは、世界には2種類の臭豆腐が存在するという事実です。

 

臭豆腐というプロダクトには、大きく分けて2つの種類があります。

 

1つは、中国南部や台湾などで食べられているものです。豆腐を短時間漬け込んだものです。揚げたり煮たりした後、たれなどで味付けして食べられます。こちらは僕も以前台湾で食べたことがあるのですが、臭いというよりはスパイシーな揚げ出し豆腐という感じで、素直に「おいしい」と言えるものでした。

 

もう1つは、中国北部で食べられているものです。これは豆腐を塩水で発酵させたもので、腐乳と呼ばれる食品の1種です。

これについてはネット上にもほとんど情報がなく、気になっていたところでした。

 

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幸いそんなに高いものではなかったので、思い立ったが吉日、とさっそく購入しました。

2瓶入りで600円ほど。安かったので2瓶入りを購入したのですが、うち1瓶はメルカリに出品しました。なぜかすぐに売れました。

 

届いたのは、青みがかった灰色をした物体でした。瓶の中には、さらに濃い色をした直方体が6個ほど積みあがっていました。

黒や茶色ならよかったものを、なぜこんなカビみたいな色にしたのか。

 

そして蓋を開けると、とんでもない臭いが部屋に充満しました。見た目も相まって「便器に付着した便の臭い」という表現が最もしっくりきました。

 

味は、ただひたすら塩辛い豆腐、という感じでした。直方体をコーティングしている濃紺の膜(カビ?)には塩の結晶が付着しており、ザラザラしています。

 

 

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そのままだと塩辛くてどうしようもないので、水菜と一緒に炒めてみました。

調理中は異種を放つ灰色のペーストと目を合わせ続けなければならず、なかなか苦しい時間でした。

 

火を通すことでやや臭いが和らぎました。

慣れれば自然と口にすることもできるようになれるのかもしれませんが、今の僕には難しいようです。

気長にチマチマ消費していくことにします。



結局この記事を通して何が言いたかったのかというと、

臭豆腐」と呼ばれる2種類のプロダクトを混同してはいけないということ。また、それらを混同しているインフルエンサーの意見を鵜吞みにしてはいけないということです。

 

何事も自ら実践し、自分の身体で確かめてみないといけないのです。