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大沼
快適な車中泊を終え、軽自動車は助手席を倒したまま動き出しました。
最初の目的地は大沼です。
早朝なので人はほとんどおらず、ただ静かで雄大な沼と森が広がっています。
ほんのりと朝霧がかかる遊歩道を歩きます。
静かな森に軽い音が響きます。音のする方を見ると、アカゲラと思しき鳥がいました(写真中央)。いわゆるキツツキです。
生まれて初めて見たので少し感動しました。
他にもカワセミとかもいたのですが、動きが速すぎて写真には収められませんでした。
奥に北海道駒ケ岳が見えます。
駒ケ岳にはこの後登りにいく予定なのですが、まだ雲に覆われているのが気がかりです。
『千の風になって』誕生の地のモニュメント
なんとなくわかる気がします。
北海道駒ケ岳
人が増える前に大沼を立ち去り、次の目的地へ移動します。
細い林道みたいな道を上った先に登山道があります。もし対向車が来たとしても僕は泣き崩れる以外の対処法を知りません。
登山道はずっとこんな感じです。すでに標高が高いのでおもしろい植生をしています。
周りに人がいない上にいつヒグマが出てきてもおかしくない状況ですね。
馬ノ背
この時点で標高約900mです。駒ケ岳は噴火の危険があり頂上までは登れません。
結局雲が晴れることはありませんでした。
シラタマノキ
湿布の香りがします。
北側も何も見せません。
暖かい岩の上でうとうとしてしまい、気づいたら濃くなってきた雲の中に自分ひとりでした。根源的な恐怖を感じたので下山します。
斜度がきついおかげで絶景を望みながら下山することができます。
森町の方へ下ってから改めて駒ケ岳を見ます。天気はいいのですが山頂は雲がかかったまま。
噴火湾沿いドライブ
登山はいまいちな結果に終わってしまいましたが、まだまだ初日の午前。いくらでも楽しみようはあります。
まずは昼ご飯。海に来たなら海鮮丼です(義務)。
森町の「雅茶一」なる店の海鮮丼が有名らしいので行ってみました。
噂に違わぬボリュームで満足感がありました。
海沿いを東へ走り、航空写真から見て気になっていた砂崎灯台を目指します。
謎のマグロが打ち捨てられていました。とんでもない量の蠅が飛んでいて見るに耐えない光景でした。窓を閉めていたのでわかりませんでしたが、臭いも相当なものだったはずです。
灯台はこの先なのですが、道がとても細いです。
力の弱い軽自動車で突っ込んでもしものことがあったら面倒くさいです。歩いて行こうかとも思ったのですが、さっきのマグロ君に引き寄せられたと思われる動物の気配を感じたので車の外には出ないようにしました。マグロ一匹にここまで翻弄されるとは…。
磯谷温泉跡
地図を見ていると、山の中におもしろそうなものを見つけました。
磯谷温泉という温泉の跡地です。かつては温泉宿ができるほど賑わっていましたが、今はただ野湯の周りに有志が設置したバスタブがあるのみらしいです。調べてみたところ車で近くまで行けるようです。
林道の終点で車から降りて探索してみると、木陰の向こう側に湯気の立ち昇る滝がありました。
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あたり一面がぬかるんでいます。ただやっぱり水質はそこらへんの沢とは違うようで、流れの中には謎の藍藻が繁っています。
バスタブは見えますが、かなり劣化していそうです。
当然ながらヒグマ出没地帯なので深くまで踏み込むのはやめておきます。
流れてきたお湯をためておくところ
長い間使われていないらしく、泥が溜まって田んぼみたいになっていました。
栓を開けるとお湯が溜まる造りになっているのですが、そもそも栓を開けて流れてくるような水量もなく、とても入浴できる状態ではありませんでした(季節が悪かった可能性もありますが)。たぶん今溜まっているのは温泉水よりも雨水の方が多いです。
磯谷温泉は二度の死を迎えた、ということでしょうか。
お湯が流れていく様子を見るのはなかなか飽きないです。見入っていたばかりに熊の接近を許してしまった世界線もあり得たでしょう。
道中の路面はこんな感じです。斜度のきつい場所もありましたが、軽自動車でもなんとか走破できました。ぬかるみにはまらなかったのは奇跡かもしれません。躁だったからできたことです。
ちなみに林道の入り口はこんな感じです。何せ道順がグーグルマップに記載されていないので分岐はほとんどカンでした。
登山の天候ガチャが微妙だった分の運を回収できたと考えることができるかもしれません。
大船遺跡
今旅の文化枠は世界遺産・大船遺跡です。
森に囲まれたところに集落跡があります。
竪穴住居
竪穴住居の中
セットで世界遺産に登録されている三内丸山遺跡ほどの知名度はなくとも見所は多いです。白川郷に対する五箇山、高野山に対する大峰などもそうですが、ここもまた逆張りオタクの本能に訴える情緒を持ち合わせた名所だといえます。
水無海浜温泉
さらに車を走らせ、東の果てに着きました。
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完全に海と一体化した温泉なので干潮時しか風呂の形を保てないようです。
温泉どこ…ここ?
人がいないのは結構なことですが、満潮のため風呂の姿はどこにもありません。
ここまで来て何もしないわけにはいかないので、とりあえずパンツ一丁になって海に入ってみました。
胸まで浸かる深さのうえ水底がぬるぬるしていてとても危険です。冷たい水の中、季節外れの海水浴となってしまいました。
冷えた体を温めるため、すぐ近くにあるホテルの温泉を利用しました。
駐車場からは恵山が見えます。
西の空は恵山に遮られているので、ただただ暗くなる海と空を眺めることしかできないのですが、一人で感傷に浸るには良い空気です。ひょっとするとこの旅で一番心を動かされた場所だったかもしれません。
具沢山でおいしかったです。
道の駅の近くにコンビニがあり、野宿スポットとしてはかなり快適です。
少し文量が多くなってしまいました。代わりに目次を導入したので許してください。
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