日本最後の秘境
十津川村へはもともと7月ごろ、自転車でツーリングに行く予定でした。しかし来る日も来る日も雨予報。いつ雨量によって交通規制がかかるかわからない状態だったので、その計画は無期延期となっていました。熊本や岐阜が大変なことになっていたのと同じ時期です。
とはいえ、日本最後の秘境とも呼ばれる十津川村は、†絶景を拝む者†として人生で一度は訪れたかった場所。なんとか計画を再開できないかと、メンバーの1人だった友人Sと話し合ったところ「どうせ行くなら紅葉の季節がよくね?」との意見がもらえました。天才の発想ですね。こうして11月の上旬を待つことになりました。
夏休みの時ほどは時間に余裕がないので、今回はバイクを借りていくことにしました。この機会にバイクツーリングデビューしちゃおう。バイクといっても50ccのスクーターですが。
原付レンタル??
まあ大型や中型はともかく、原付をレンタルしようなんて人はそんなにいないのでしょう。50ccのバイクが借りられるレンタルバイク屋さんはそれほど多くありません。実際、周りの人からは「原付なんて借りられるんだ〜」みたいな反応しかないわけです。
2人が同時に借りられる台数を用意している店となると、1県に1店あるかないかです。さらにどの店も微妙にアクセスがよろしくない。
そんな中、最高に好条件な業者を見つけてしまいました!
『ベストBike』です。
どんな点が好条件なのかというと、
①やりとりがオンラインのみで完結する
ネットで申し込み、決済します。当日になると、指定された場所にバイクが設置されるので、それを利用することになります。特にこのご時世にはありがたいシステムなのではないかと思います。
②24時間対応してくれる
旅行者にとって一般的なレンタカー屋さんは営業時間が短く、そのせいで旅程に余裕がもてないことがしばしばあります。その点ベストBikeは24時間利用できるので、貸出・返却時間を気にせず旅に出ることができます。電話も24時間つながりやすいです。やりとりがオンラインオンリーな点には不安があるかもしれませんが、基本的にしっかり対応してくれます。人手足りてるんですかね。
③アクセスがいい
少なくとも今回利用した奈良駅前のバイク置き場は駅からも近く、アクセスが良かったです。僕は居住地的にほとんど奈良市民みたいなものなので、駅近なのは嬉しいです。
まあこんな感じで、とにかく気軽に借りられるのが大きなメリットだと思います。
レンタルバイクの紹介はここまでにして、ここからは旅行記を載せていきます。
邂逅
朝6時、電車で奈良駅へ向かいます。そこから少し南へ歩くと、指定されたバイク置き場があります。カバーを外すと、2日限りの相方となる1台が姿を現します。
銀のTODAYが僕の相方です。立ちごけして傷つけてしまわないか心配です。
動作確認をしているうちに明るくなってしまいました。
なんとしても交通量が多くなる前に市街地を脱出したい。
こうしてほぼ初めての原付にまたがり、奈良の町へ繰り出していきました。
ちなみに1日目のルートはこんな感じです。
日本最古の民家
さっき載せたように、1日目はまずは五條市まで南下し、そこから山岳地帯へ絶界行を決めるというルートです。元ネタの絶界行とはモノが違いますが、概念的には似たようなものです。
五條市には日本最古の民家なるものがあるとのことなので、寄ってみることにしました。
ここがその栗山家住宅です。相当でかい。
今も人が住んでいるようです。よく考えると、こうして観光客が押しかけてくるのはいい迷惑ですね。
周りを散策すると、渡り廊下のようなものをたくさん見かけました。これ全部1件の家なのか?城塞都市みたいでワクワクします。
渡り廊下から釣り糸を垂らしたり糞を落としたり…みたいなこともできるのかもしれません。ロマンがあります。
煙突が目立ちます。
この一帯は五條新町として観光地化されているみたいです。まだインスタの者たちには浸食されていないみたいですが、彼らの主要な訪問地に負けず劣らずの見ごたえと面白さがあります。推していきたい。
餅屋さんがありました。
開いていなかったのが惜しい。
どうでもいい話ですが、五條新町のことを調べると、この写真と同じ構図の画像がいくつか出てきました。どうでもいいですね。
”境界”
五條新町を出て、いよいよ”境界”を越えます。
そもそもなぜ僕が「境界」だの「絶界行」だのとやたら仰々しい言葉を好んで使っているのかは、奈良県の航空写真を見ればわかってもらえるのではないかと思います。
要は、奈良県の特殊な地形を表現したいのです。
奈良県は中央構造線を境にして平野と山岳地帯に分かれています。ここを境にして環境や文化がガラッと変わってしまうことになります。だから、吉野川周辺は我々に自然の偉大さを教えてくれるスポットだと考えています。自分が自然に対して抱く畏敬の念を伝えたい、という意図でこんな仰々しい表現を使っています。
以前の記事で富山県南砺市桜ヶ池付近を同じように表現したのですが、それも同じ理由です。
実際、吉野川(紀ノ川)の向こうに見えるのは「壁」に他なりません。最初は自転車であれを越えようとしていたと考えると、ぞっとします。
文字数が多くなってきたので、1日目の後半は次の記事に回します。
next→紅葉狩り絶界行ツーリング その2 ~日本最後の秘境~