中国で強くなる旅 その3 ~省間移動~

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成都東駅へ

ぼっちバックパッカーの朝は早い。

5時に起床し、荷物をまとめるとフロントへ行きます。ベルを鳴らしたら昨日と同じお姉さんが来てくれました。早朝チェックアウトする旨は伝えてあるのですが、やっぱり少々申し訳ない…

本日は四川省のお隣・陝西省西安への移動日となります。まあきちんと早起きできたので昼頃には西安に到着することができそうです。まずは宿の最寄りである高升橋駅から、高速鉄道のターミナルである成都東駅へ。1度乗り換え「火車東(フオチャードン)駅」で降りて、人の流れに身を任せて地上へ出ると、成都東駅です。

例によって小雨が降っています。

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早朝の成都東駅

まずは入り口の隣にあるチケット売り場で「成都東ー西安北」のチケットを購入します。263元(約4110円)でした。そのあとはもはや見慣れたセキュリティチェックを受け、構内へ入ります。そこらへんの駅とは段違いに規模の大きいセキュリティチェックですが、パスポートを握りしめ堂々と通過しましょう。

 

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成都東駅構内

駅の外観から何となく予想はできていましたが、構内はだだっ広いです。小屋のようなもののところに改札とエスカレーターがあり、時間になると下の階にあるホームへ降りていくという仕組みのようです。案内板には各便の出発ホームや遅延状況がわかりやすく表示してあります。隅の方にはフードコートもあり、適当に朝食を買って車内で食べることにしました。写真撮ったはずなのにみつからないです…。

ちなみにこの成都西安を結ぶ路線は数年前に建設・運航開始されたらしく、この2都市を周遊したいと考えていた自分にとってはかなりタイミングが良かったことになります。

 

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陝西省の農村

四川省陝西省の間には山岳地帯があり、まだ秋なのに雪景色を楽しむことができました。

そのあとは果てしない平原を走り続け、無事西安北(シーアンベイ)駅に到着しました。

 

西安での宿探し

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重厚な西安城壁

このまま宿候補の最寄り駅まで行ってもよかったのですが、せっかくなので城壁を見ながらゆっくりと目的地を目指すことにしました。

 

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昼食として、肉夾饃(ロウジァーモー)なるものを買ってみました。ほぐした肉をパンで挟んだローカルフードです。味付けがシンプルなので、素材の味を感じられて好吃でした。

そうこうしているうちに、本日の宿候補に着きました。「七賢国際青年旅舎」です。落ち着いた通りにあるので、前日の宿と比べると幾分か入りやすいという印象でした。今回もノー予約で飛び込みます。ここの受付の人も優しい。

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敷地がかなり広いうえに平屋なので、都会のど真ん中なのにリゾートの温泉宿にいるような気分になります。ここはイイ。ひとめぼれしました。6人部屋のドミトリーが1晩35元(約530円)と、素晴らしいコスパです。

手続きも終わって一休みしていると、僕のベッドに掛布団が用意されていないことに気づいた同室のおじさんが、用意するよう従業員に頼みに行ってくれました。優しい。

なんやかんやで拠点が決まったら、さっそく観光に出かけます。

 

西安市街から兵馬俑

 以前からずっと行きたいと思っていた兵馬俑へ行ってみます。兵馬俑のある秦始皇帝陵博物院は郊外にあり、おそらくバスを利用するのが1番効率がいいです。宿から1kmほど歩いたところに西安駅(高速鉄道西安北駅とは違う)があり、駅前のバスターミナルから游5路なる観光路線が出ています。この路線バスを利用するのが手っ取り早いとあらゆる旅行本・ブログに書いてあったので、僕も同じようにして行こうと思っていました。そのつもりでしたが…

 

駅前が妙に閑散としている……

 

実は游5路がバスターミナルのどこに発着するのかは動画投稿サイトなどで予習済みでした。今度こそ客引きに引っかからないためにね。しかし、地図上でバスターミナルがあるところには、ガードレールで囲われた何もない空間があるのみ。バス1台見かけませんでした。封鎖されているんですかね?とにかくこれでもっとも安全なルートが絶たれてしまったわけです。

自分が方向音痴なだけで場所を間違えているのか?と30分ほど彷徨っていましたが、どうもそういうわけではないらしい。途方に暮れて、目の前を通り過ぎる車やバスをただ眺めていました。

すると、その中に見覚えのある系統番号のバスがいることに気づきました。914路だったり915路だったりという系統番号ですが、これらは游5路とともに兵馬俑へ行くことのできる路線として旅行本で紹介されていたものでした。乗り場が分からないので使うことはないだろうと思っていた路線ですが、こうなったらもう乗るしかありません。しかも、運よく近くで1台停車していました。彼らはできる限り客を詰め込むまで発車せず、始点周辺で客引きをしつつその時を待ちます。以前ベトナムで同じような光景を目にしたのでピンときました。

車掌と思しきおじさんに「びんまーよん(兵馬俑)??」と聞いてみます。

すると彼はうなずき、車内へ招き入れてくれました。

そこから数分後、バスは無事発車し、兵馬俑方面へ向かいました。

 

1時間ほどで、終点である博物館の広大な駐車場の片隅に降ろされました。特に目立つ案内板はないので、周りの客の流れに合わせてチケット売り場へ…行きたかったところですが、彼らも場所が分からないのか周辺をうろうろしています。自分の方向感覚と運を信じて山側へ歩いていくと、チケット売り場の大きな建物がありました。入場料は120元(約1900円)でした。シーズンオフの料金ですが、物価からするとちょっと高めかな?って感じです。この日は規模に対して観光客が少なめで、スムーズに入場できました。

ちなみにこの時点で時刻は15:00でした。我ながらけっこう攻めたタイムスケジュールだったと思いますが、じっくり見て回るには十分でした。冒頭では「移動日」って書いていたのにがっつり観光してます。

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チケット購入後は隣の入場ゲートへ

 

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一号坑の外観

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あの有名な陶像群が目の前に…!
とにかく規模が大きいです。さすが始皇帝

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こちらは軍師の像。いろんなところに描かれていたり置物が土産屋に陳列されていたりと、マスコットキャラクターばりに人気がある1体のようです。

 

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出口付近の屋台街で涼皮(リァンピー)を食べました。ビジュアルは四川料理ですが、陝西省の名物らしいです。つるつるしててところてんみたい。まあ僕あんまりところてん食べたことないですけど。けっこう寒かったので体を温めるために唐辛子を入れてもらいました。味は辛酸っぱくてあっさりしていました。好吃です。食感も相まって中毒性が高そうです。

 

敷地を出て歩いていると、游5路と書かれたバスがあったので、とりあえず乗車しました。帰路についてはなぜか楽観視していたのでこの時は気になりませんでしたが、今思うと前述の屋台街に入った時点で現在位置を全く把握していませんでした。結果的に無事西安市街まで帰還できたのでよかったですが…

 

夜の西安

夕食を求めて回坊風情街を訪れました。地下鉄「鐘楼駅」を出て路地に入っていきます。

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いわゆるムスリム街で、ほかでは見られないような屋台がたくさんあります。顔立ちは東洋系なのに装いが中東チックな人々が店を切り盛りしている光景は新鮮で、シルクロードの都市たる西安らしくて面白いなと思いました。

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麻辣羊蹄なる屋台料理。字のとおり羊の蹄です。いろいろな意味で衝撃的な1品ですが、味がよくしみていて柔らかい!好香好吃です。

 

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店に入ってびゃんびゃん麺を頼みました。「世界一難しい漢字」として一時期話題になったアレです。超幅広麺の上に肉(おそらく牛)、ナムル的なもの、トマトと卵の炒め、青梗菜、パクチーが乗っています。よくばりセットですね。隣の缶は酸梅湯(スァンメイタン;梅ジュース)。約束されたおいしさ。

 

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宿に帰る前に大雁塔に寄ってみました。さすがに閉館時間を過ぎていたので登ることはできませんでした。上の階からの景色も見てみたかったです。

 

ここまでの写真を見ていると、どの写真でも空が曇っていることに気がつくかと思います。単に天候が悪いだけなのだと信じたいですが、喉が痛くなってきました。あれは雲だったのか、それとも…。

 

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