【感想】ニジガクOVAを観てきた

ニジガクOVA

ニジガクロスのせいでいよいよ体調を崩し始めた2023年6月末、ニジガクOVAこと『ラブライブ!虹ヶ先学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』が公開されました。

筆不精ゆえ、いつもは何かのイベントがあってからそれを記事にするまでに長くて1年ぐらいかかってしまうのですが、今回は緊急で執筆しています。それだけ自分の中でニジガクの存在が大きいということです。他のニジガク関係の記事は以下です。

 

精神衛生のためにいち早く映画館に向かうべきだったのですが、学校が忙しく、なかなか休みが取れずにいました。

結局7月になってからやっと望みを叶えることができました。

 

でも実を言うと、なかなか映画館に行けなかったのにはもう1つ理由があります。

上映時間の問題です。

ニジガクはシリーズの中で特に人気があるというわけではなく、盛り上がりもアニメ放送時から冷めてしまっていることは否めません。だから悲しいことに上映数が少なく、変な時間にしか上映していないのです。

今回は20:05~20:45の回を観ました。早朝か夜遅くしか上映していなかったので仕方なく夜遅くの分を選んだ次第です。

あとは料金も割高感がありました。何せ本編が30分しかなく、金欠の自分にはとても厳しい価格設定でした。

 

今回は応援上映の分を観ました。サイリウム持ち込みOK、声出しOKなはずですが、同じ場にいたオタクたちからは何のアクションもありませんでした。そもそも人数も少なかったからしょうがないですね。

 

ちなみに、僕は爪を伸ばしているわけではありません。先ほどの写真でチケットよりも先に僕の指に目が行った人がいるかもしれません。慢性的な手荒れのせいで爪の白い部分と赤い部分の境目が後退しており、そのせいで爪が伸びているように見えるだけです。ニジガクロスに勝るとも劣らない辛さです。

 

感想

まあアニメ虹ヶ咲な時点で僕を唸らせるに足るクオリティは保証されているようなものです(以降ネタバレ)。

 

まずストーリーで驚いたのは、ラブライブシリーズゆかりの地を巡るシーンです。ニジガクの舞台であるお台場をはじめ、秋葉原、沼津(の物産展)、原宿とおなじみの場所が次々と登場する様には心が躍ります。

ニジガクはしばしばラブライブシリーズ外伝などと呼ばれ他作品より一段下の扱いを受けることがあるのですが、このOVAを観てしまうとそうも言ってられません。シリーズへの並々ならぬリスペクトを感じると同時に、ニジガクが正統なラブライブシリーズ3作目であることを実感しました。

 

楽曲に関しても申し分なかったです。何より、限られた上映時間に新曲を4つもぶち込んできたのに驚きました。特に目玉曲の『Go Our Way』は歴代劇場版の主題歌と比べても決して見劣りしない存在感でした。12人ものメンバーを抱えるシリーズ1の大所帯なのにあれだけテクニカルな曲を歌い上げるところにメンバーの一体感を感じました。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は思想の違いから、ラブライブシリーズでありながらラブライブには出場しないという異色の集団ですが、今の同好会が本気を出したら全国の猛者をなぎ倒して余裕で優勝できるんだろうなと改めて思いました。

 

今作には実写パートがあり、それが最も驚いた点の1つでした。毎度聖地の再現度の高さに定評のあるニジガクですが、ついに二次元世界から飛び出だしてしまったということです。

EDでメンバーが現実の風景と共に映し出されたポラロイド写真が次々と登場するシーンがありました。イラストは自分の人生を救った名曲『NEO SKY, NEO MAP!』と同じで、神絵師・めばち氏が担当しており、新たな試みとの調和もあって得も言われぬ感動を覚えました。

驚きのあまり自分の正気を疑ったのですが、どうやらあの体験は事実だったようです。

特典として配布された、例のポラロイド風ブロマイドです。お台場海浜公園の岩場ですね。去年ライブのついでに巡礼したなあ、と感慨深くなりました(大阪でのライブとは別です)。

 

不満だった点

唯一にして最大の不満点は、尺が足りないことです。

そもそも今回のエピソードは栞子視点で進んでいきます。ただ、全員に等しく丁寧なキャラづけのあるメンバーの中からあえて栞子に焦点を当てていた点が気になります。もちろんストーリーの内容と栞子というキャラの親和性が理由なのでしょうが、それにしてもニジガクにおける禁忌「1人だけを選ぶ」力技に及んだ理由づけが不十分だったように感じました。特に僕はりなりー推しなので、彼女の出番が相対的に少なくなってしまったことに釈然としない部分はあります。

それもこれも各キャラやストーリーの「厚み」を本編30分で受け止めきれなかったのが原因であろうと思われます。本来なら劇場版にしても各キャラ1時間ずつぐらいの尺が必要ななず(侑ちゃんは別枠なので+1時間ぐらいでもいい)で、今回のOVAはその5%未満の見所しか提供できていなかったことになります。

尺の足りなさはニジガクが抱える深刻な問題です。幸いにもこの問題については劇場版の続編で緩和されることが期待されます。今回の1500円/30分は、ニジガクが悲しい運命に打ち勝つための投資だと考えることにします。救いを求める人たちのために、ニジガクは次回作においてその力を完全に発揮しなければなりません。簡単に終わっていいわけがないのです。